大会は安全に楽しく

コース設定

距離

主催者が一般公道上に160km(100マイル)コースを指定する。
海岸沿い、峠越えの連続などさまざまだ。大会ごとに特徴あるコース設定がなされている。

主催者は、参加者に楽しんでもらえるように、由緒ある街道筋や景色のよい道を取り入れることが多い。「奥の細道の足跡をたどる」 、「太平洋と日本海を結ぶ列島横断」など、テーマを持たせて、参加者の興味をかき立ててくれる。

チェックポイント

途中にいくつか設けられる。ここでは必ず止まって役員にゼッケン番号を伝える。
大会によっては、指定時間までに到着しないとそこでストップ、回収される場合がある。
事前にコース地図でペース配分をシミュレーションしておくべきだ。

■走行時間帯

昼間に日差しを浴びて走る。朝8時ごろ出発し、午後4時ころゴール閉鎖となる。昼間だから、景色を存分に楽しめるし、明るいから安全だし、人の生活リズムにもあっているしね。
これが、ブルベでは夜も通しで走ることになる。交通事故や暗闇による路面段差での転倒など、格段にリスクが伴う。それなりのテクニックと経験を身につけてから参加したい。

制限時間

通常、8時間で指定される。平均すると、時速20kmだ。
これは休憩も含めた平均なので、実走行では、平坦地で時速26~30kmの巡航が目安となる。サイクルマラソンの場合も、ほぼ、同程度のペースが求められる。

走り方の鉄則

独走しよう!

独走が大前提

自転車長距離走では、前走者のすぐ後ろにつかず、独走が大原則である。
よく、スタートからゴールまで、終始誰かの後をついていって、「速かった、楽だった、誰々に付いていけた。」などと、自慢げ話す者がいる。
このような勘違いをしている者は、人に頼ってたまたま完走しただけにすぎないから、失格に等しい。

独走の方法とは

平地や上り坂では 前走者との距離を平地で5~10m以上開ける。
目安としては、前走者のチェーンが回転する「シャー」という音が聞こえないくらいに車間を開ける。
下り坂では 15mくらい開ける。
前走者に追いついたら ペースを計り、前へ出られるのならば出る。
ムリなら、しばし下がって独走態勢に入る

なぜ常に独走を心がけなければならないのか?

そこに、距離への挑戦があるから

すなわち、自転車長距離走は、自己への挑戦である。
常に風を受けて、前方の景色を心に刻みながら走るのが正しい。
実際問題、他人の後ろに付くと楽である。単独走を100とすると、「本当に走り切ってみせるぞ」という精神面、「苦しいが、ペダルを踏んで前に進もう」という体力面とも、人の後に付いた走りでは、単独走の 80% くらいの力で走れてしまう。しかし、冷静に考えると、160kmを走ったつもりが、人の助けを当てにしつつ走ったので、実質120kmの価値しか持たない。
そうなると、これはもう挑戦ではない。
ロングライドの価値をおとしめる行為である。

ルール

  1. 信号や一時停止、交差点2段階右折など、交通ルールをぜったい守る
  2. 指定時刻までにチェックポイントを通過する
  3. 法規で定められた保安部品を必ず装着する
    • ライト(前方の路面を照らす)
    • ベル(歩行者に自転車の存在を知らせる)
    • テールライト(点滅式、後方の車に自転車の存在を知らせる)
    • ブレーキ
  4. パンクやチェーン外れといった故障は、自分で直す
  5. 一般道を走るので、クルマや歩行者に迷惑をかけない
  6. 休憩や補給は自分の判断でとる

コースの誘導

ルート図

参加者には、事前にコースを指示する地図が渡される。
これを自分で読み取って進むのが基本だ。
参加当日に初めて地図を見るようではダメだ。事前に予習しておくべし。
当日迷子になってしまうぞ。

コース上での誘導

実際の大会では、誘導がある大会、ない大会、割合はだいたい半々だ。
誘導がある大会でも、途中のすべての分岐点に誘導員がいるわけではない。人がいる大会はマレで、誘導看板があるだけの大会も多い。
とにかく、自ら、地図を読んで走れる技術を身につけよう。

え?、金魚のフンよろしく、誰かの後に付いていくから心配ない?
そんなことではイカン。人に頼っていては、いつまでも半人前。
真の百哩走大王になれないぞ。それに、自分への挑戦の放棄だしね。

対策

  1. 地図をカードケースに入れて、ハンドルに取り付ける
  2. 名刺大のカードに「○kmで△△商店を右、○kmで××小学校を左」のように書き込み、ハンドルに取りつける
  3. 小型のGPS機器(スマホ等)をハンドルに取り付ける
  4. (画面に地図と自車の位置が表示される →代理店)

沿道の人に聞くのは、アテにならず危険。違う方向を教えられることが多い。
まあ、道に迷ってもお咎めなし、迷った地点から元のコースに戻ればよい。
余計に走って苦労するのは自分だから、くれぐれも準備は怠りなく。

用具の規定

自転車

法規で定められた保安部品を装備したスポーツ用自転車。ロード用自転車が一般的だ。
MTBでも当然参加可能。ただし、走りが重すぎて苦労が大きい。
価格よりも、よく整備が行き届いていることが重要。

■参加者が用意すべきモノ

  • ヘルメット
  • グローブ(サイクリング用手袋、指先が出るようになっていて、ブレーキ操作がしやすい)
  • パッド入りのサイクリング用パンツ/タイツ
  • サイクルシューズ
  • 修理工具(アーレンキー、4mm、5mm、6mm、ドライバー、ビニールテープ、タイヤ外しレバー)
  • ライト(前後、後は点滅式で昼間も常時点滅)
  • 時計
  • スピードメーター
  • 健康保険証(保険証なしで診療を受けると、数万円~の請求がくる)
  • 本人用救急品、日焼け止めクリーム
  • 雨具(雨のとき、財布や地図、携帯電話をしまうビニール袋も)
  • 小銭
  • 地図
  • スマートフォン、携帯電話
  • 自転車に装着できる小型空気入れ
  • 補給食と飲料水

途中で走り続けられなくなったら

故障や体調不良は突然やってくる。むりをして、翌日の仕事に差し支えては、本末転倒。「来年もあるさ」と潔くリタイヤすべきだ。
リタイヤを決意したら、

  1. 当日の実施本部に連絡する
  2. コース上で回収車が来るのを待つ
  3. 熱中症は危険! 
    日陰に入り氷や濡れタオルで体を冷やす

こんなときは、要注意

  • 走る気力が薄らいできた。暑さがつらくて仕方がない。
    ボーッとする。
  • 脚に力が入らず、スピードが上がらない。
  • 持続して走れなくなり、休憩ばかりしている。

制限時間は持ち時間

ペース配分は各自の自由。

景色のよいところで写真を撮ったり、冷たい飲み物を飲んだり。あるいは、名物を食べたり。
速く走り抜けるだけが能じゃない。楽しみながら、悠然と制限時間内にゴールしてもかまわない。あとは各自の常識で。
紳士淑女のスポーツとして、参加者の良識に任される部分が多い。

トイレ休憩

これも、各自の必要に応じて。

公園や駅の公衆トイレ、コンビニやショッピングモールへ休憩を兼ねて立ち寄る。
ガマンは禁物、適度な間隔でどうぞ。

ただし礼儀をお忘れなく

一般の人から見たら、自転車ジャージにサングラス姿は、異様。
変態さんそのものである。ヘルメットとサングラスを必ず外し、「トイレを貸してください」と礼儀正しくお願いしよう。

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